Pleasure Assortment

趣味や好みの詰め合わせ。完全自己満足ブログなので多分にネタバレを含みます。

【小説】闇の守り人 / 上橋菜穂子

バルサが過去の自分を救済するお話。
そして息をするように嘘を重ねる大人が怖かったお話。
 
 
【時間薬】
当時はわからなかったことが、時間が経って「あぁそうだったんだ」と腑に落ちること、あるある。
別の立場から追体験することで、当時の自分を救ったり許せたり。
または相手を理解したり許せたり。
 
バルサは「精霊」ではチャグムを守ることで養父:ジグロの追体験をし
そのうえで「闇」で過去と向き合い乗り越えた。
 
今、辛いことに直面していても、きっといつか大丈夫になる時がくるよね。
そんな風に思えるようになったのは、私が大人になったからなんだろうなぁ。
 
 
【決断と責任】
バルサはカッサを儀式の場に連れていくことを迷ってた。
だって連れて行かない選択肢もあったから。
 
確かに、選択肢がいくつもあると迷うし腹を括るのに覚悟がいる。
何かを選ぶことはもう一方を手放すこと、とはよく言われるけれど
どれを選んでも別の選択肢のほうが正しいように思えてしまうし、選択した後も迷い続ける気がする。
特に他人の人生を変えかねない状況なら特に。
 
こういう時って、これまでの経験から判断したり予測したりするしかないんだろうなぁ。
自分の望む方向がはっきりしていればまた違うんだろうけど。
 
 
就活とか、人との付き合いとか、本当に人生の岐路に立っているって感じさせられる。
最初にそれを感じたのは、大学受験の時だった。
自分で選択して決断して、自分で責任を負う。
後から「やっぱりあっちにすればよかった」って思ってもももう遅い。
 
そんなことを考えたシーンでした。
 
 
 
タンダとの絡みもまたみたいなぁ。
図書館で続きを借りてこようと思います。